入院20日目(手術当日) 死闘の果てに

2020年8月5日(水) 晴れ。気圧は1016hPaで体温35.5℃。3時まではぐっすり眠れましたが、そこからは全く眠れませんでした。いよいよ手術当日。体調は悪くない。いつもより量が少なめの朝ご飯を食べましたが、手術前の食事はこれが最後。10時以降は水分を取るのも禁止。これが結構キツイ。


■入浴と術後準備

手術すると暫くお風呂に入れなくなるので手術当日だけど入浴しました。お昼ちょっと前に家族が到着。ノートパソコンを使って実際に撮影した画像を見てもらい、どういう手術をするのかを私が家族に説明しました。

術後は暫くの間腕を挙げられなくなりTシャツの着替え不可になるので、前側でボタンを留める所謂パジャマを数枚持ってきてもらいました。

そして、術後に左手だけで水分補給できる用にストローが付いたプラスチック製の水筒も用意してもらいました。水筒の落下防止用にベッドの柵と水筒を紐で結びます。紐を短くしすぎると水筒が口元に届かなくなるので注意。また、紐を病室に持ち込めない医療機関もあるので要確認。 

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 13時過ぎに看護師が手術の同意書を持って病室に来たので、家族に署名と押印をしてもらいました。その後、検査着に着替えて病室で待機。いつ呼ばれるのかわからなくて落ち着きません。20年前に受けた胃・大腸内視鏡検査の時のように検査中の記憶が飛んでしまって全く覚えていない事件が頭をよぎりました。今回はどうなってしまうのだろうか。

14時に呼ばれたのでトイレを済ませ、家族に行ってきますと挨拶して手術室へ向かいました。いよいよ・・・。


■手術中の闘い

検査着を来たままOPE台に上がったけどOPE中は出血で検査着が血だらけになるとの事。検査着を脱いでパンツ一枚に。室温はちょうど良い感じでしたが緊張してよくわからない。血管確保はなかなか痛くて、私のペインゲージ(痛さを表す数字)だと30%ぐらいの痛さ。ペインゲージ(以下Pゲージ)の名前は私が勝手に命名なお、100%はもう殺してくれと訴えるレベルとします。消毒したら身体が熱くなった。

ドレープを被せられて顔まで覆われたので、苦痛の表情を他の人に見せずに済んで少しホッとする。OPEが始まりそうになっても局麻なしで不安になるが、OPE開始直前でようやく局麻。注射器の針の痛みがあるがPゲージ20%ぐらい。

OPE開始。痛みはあるがPゲージ10-20%ぐらい。局麻のおかげでPゲージが軽減されていて手術完了までこのままの痛みで治まることを祈るが、その思いはすぐに絶望へと変わる。

突如Pゲージ80%の激しい痛みが襲いかかり思わず苦痛の声を上げてしまう。血圧と脈拍が急上昇して局麻が追加された。先が尖ったスピア(槍)で切開した身体の中に突き刺すような感覚だった。これが斬属性の物理ダメージによる痛みの感覚か・・・。耐えるのが厳しい痛さではあるが数秒持続した後にPゲージが50%まで下がり、その後20-30%程度で推移するのでその間に体力ゲージを回復して何とか耐えられる感じ。このPゲージ80%の攻撃がOPE終了まで6回程度飛んでくる事になる。左手をギュッと握り耐えてゆく。

整復中に何度か局麻を追加されるも局麻が効かない部位の整復中にPゲージ40-60%程度の攻撃が続き体力ゲージがガンガン削られていく。その状況の中でPゲージ80%の攻撃が飛んできて、血圧が急上昇して一瞬だが200を超えてしまう。ここで左肩にレペタンを筋注。強力な鎮痛剤ですが劇薬です。副作用で頭がボーっとする。

その後整復の確認なのか右鎖骨ごと持ち上げられる感覚があったが、Pゲージ30%程度で鈍痛系の属性なのでこれはそれほどダメージを受けず。折れた鎖骨同士がしっかり整復されているのを確認後は、今回の手術のメインであるルシュナー鋼線が登場。まずは骨の中をドリルで削ってキルシュナーを通すラインを確保。ドリルで削っている時は振動が伝わってくるもののダメージはほぼなし。体力回復タイム。キルシュナーを奥まで通しきった時はPゲージ50%程度の痛みが一瞬発生。

ルシュナーで固定したら手術はほぼ完了で後は縫合だけ。この頃には4本目の局麻が切れつつあり、縫合する度にPゲージ20%程度の痛みが発生。意外と痛かった。縫合が終わり、術後の感染予防としての抗生剤「ロセフィン点滴静注用1gバッグ」を点滴で注入されて手術終了。OPE時間は1時間かかりませんでした。背中が血と汗でびっしょりだったみたいですが、術中は部屋や身体が熱いという感覚はなかった。

隣のストレッチャーに移る際に上半身を起こされたのですが、意識が遠のき自分の腕で身体を支えられないぐらい朦朧としました。これはレペタンの副作用っぽい。ストレッチャーでOPE室を退室して私の病室へ移動されました。

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■手術記録

1415 OPE室入室

1420 血管確保 血圧 158/95 脈拍 112 

1430 消毒

1439 局麻 157/96 117

1442 OPE開始

1457 激痛 197/105 132

1500 レペタン筋注 176/117 142 整復中

1508 キルシュナー 2.4mm 両尖 159/104 121

1517 整復完了

1520 縫合開始 171/112 134

1525 ロセフィン1g注入

1530 OPE終了

所要時間:48分
出血量:106g

・キルシュナー 2.4mm(両尖) 1本
・0.5%リドカイン 20ml 4本
ラクテック 1本
・ロセフィン 1g 1本
・レペタン 1.5ml 1本

・雑費:x万円(保険外)


■術後の状態

手術後はパンツ一枚でも身体が熱くて、病室に戻って冷房を入れてもらってもOFFになっているのではないかと思うぐらい。身体が起きた状態だと手術した部位からPゲージ20%程度のズキズキとした継続ダメージで体力が徐々に削られていくが、ベッドをフラットに寝かせるとPゲージ10%程度に軽減。上下のパジャマを着させてもらい、フラットなベッドの上でとにかく安静にして体力温存&回復。

右腕はお腹の上に置くだけで精一杯でスマホも水筒も持つことが出来ない。術後は喉が渇いたので、今回ストロー付きの水筒を持ってきてもらって大正解。寝た状態では水分補給できないのでベッドを起こすのですが、身体を起こすとやっぱり痛みが増加する。水分補給した後はすぐにベッドを寝かせる。

術後1時間が経過。継続的な痛みはあるが容態は安定してきているので家族にはお礼を伝えて帰宅してもらいました。


■就寝

20時頃に薬を飲むためにカロリーメイトを食べようとしたのですが、カロリーメイトを口元に近づけた途端に急に嘔気が。薬を飲むために我慢したのですが10分もしない内に強い嘔気に襲われ、超必殺技が使えるぐらい低下した体力の身体に鞭打って部屋のトイレに駆け込こんで嘔吐してしまう。補給した水分のほとんどが強制排出されてしまった。その後積極的に水分を取ろうとするのですが、その度に身体を起こさないといけなくて痛みが増加して体力が削られてしまう。

Pゲージ10-15%のズキズキとした痛みと闘いつつ少しでも身体を休めて体力を回復しようと試みた結果、24時頃に何とか寝付けました。

 

辛い一日がようやく終わる...